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活用事例

 導入自治体インタビュー(三重県桑名市教育委員会)

子どもたちのインターネット利用に正面から向き合う

――※部署名、役職等は平成28年3月時点のものです。


桑名市教育委員会では、当社と共同で小中学校を対象としたオリジナル教材を制作し、平成27年度より生徒指導の一環として、子どもたちのインターネットリテラシー向上に向けた情報モラル指導を開始している。子ども向けの提示資料だけでなく、教員向けに指導方法や指導ポイントを解説した資料も作成し、市内小中学校全校の代表者向けに教材活用方法の説明会も実施したことで、完成から年度末まで短期間だったにも関わらず、2/3近くの学校の授業で実際に利用された。

今回、桑名市教育委員会事務局に、企業と連携してオリジナル教材を作成するに至った背景や課題、教材導入後の状況について話を伺った。

「スマートフォンを持たせない」から「スマートフォンとの上手な付き合い方」へ

――今回、市教委として情報モラル教材を作成されましたが、作成することになった背景として、どのような課題を抱えていらっしゃったのでしょうか。

インタビュー

今回、教材制作を考えることとなった背景には、三重県における子どもたちのスマートフォン利用事情がありました。三重県の中学生のスマートフォン所持率は全国平均と比較してもかなりの上位にあります。桑名市の状況も県と同じで、1日4時間以上インターネットを利用している子どもが14%もいるといった調査結果も出ています。市教委としては、この状況を非常に危惧しておりました。

情報モラル教育の実施については、学習指導要領に盛り込まれているものの、各校バラバラな対応となっていました。技術家庭などの科目で情報モラルを扱うことが普通になった中学校と比べて、特に小学校では、道徳の授業内で行う学校もあれば、外部講師を呼んで安全教室を開催する学校もあり、そこで触れられる内容も様々でした。市教委としては、必要な知識の不足による大きな問題が発生する可能性は0ではないと考えており、それを防ぐためにも必要最低限の指導の水準を示したいという思いがありました。

――なるほど。情報モラルに関しては、現在様々な教材なども販売されていると思いますが、そのような中、桑名オリジナル教材の作成を選択されたのは、どのような理由でしょうか。

わずか数年前まで、学校現場の多くは「子どもたちに情報機器を持たせないことで安全を確保する」考えでしたが、インターネットの活用が当たり前の社会になりつつある今、子どもたちをインターネットから切り離すだけでなく、どのように上手く付き合っていくのか発達段階に合わせて教えることが重要です。その一方、学校現場の実情として、情報モラル指導だけに多くの時間を割くことも難しい。一般的な情報モラル教材セットは網羅性には優れていますが分量が多く、その全てを扱うことや、現場の教員に内容の取捨選択を任せることは現実的ではありませんでした。この問題に対する市教委の姿勢や指導範囲の考え方を示したかったこともあり、オリジナル教材の作成が必要と判断しました。

インターネット利用に関する指導を「日常」の中で行いたかった

――ご指摘の通り、最近はどの地域でも、ただ禁止するよりも、インターネットの正しい使い方を教育する事を重視する傾向にある印象があります。とはいえ、市オリジナルの教材作成となると、苦労される部分もあったかと思いますが、いかがでしょうか。

インタビュー

今平成27年度の期中になってから作成が決まった上、年度内の学校現場への展開までを予定していた為、実質的なスケジュールは約3か月間と非常にタイトでした。市教委としては、比較的コンパクトなもので、かつ、学級担任が使えるような、子どもたちに問いかけながら指導できる教材を当初からイメージしておりましたので、情報モラル教材セットを販売している企業などに相談しても、この短期間で納得いくものを作るのは難しいだろうと考えておりました。また、子ども向けの提示資料だけがあっても、肝心の指導方法が現場の教員任せになってしまうと、指導内容のバラつきが生まれます。教員の負担が大きくなることで教材を活用しきれない可能性からも、問題の理解や具体的な指導のポイントなども含めた指導資料も合わせて作成する必要がありました。

そのような中、ピットクルーさんには、子どものネット問題に詳しい実務家として、桑名市いじめ問題対策連絡協議会にも参加してもらっていましたので、広くインターネット問題だけでなく、桑名市の子どもの状況も理解した上で柔軟に対応頂けるのではないかと思い、相談を持ちかけたわけです。また、専門家会議「子どもたちのインターネット利用について考える研究会」の運営に参加して、教育啓発に関わる様々な取り組みをされていた事も安心してお願いできた理由の一つですね。教材作成においては、子どもたちに教えるべき内容を決定する上で、市教委だけの判断ではなく、インターネットの専門家による客観性が欲しいと考えていましたし、結果的に、現場の教員にとっても価値がある教材と感じてもらえたと思います。

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